銀河商事 営業部 部長
音無 達
宇宙の彼方から、それは突然やってきた。
人類にはそれがなんなのか理解する暇さえ与えられなかった。
ただそれがあまりに真っ直ぐに地球に向かってくることだけはすぐにわかった。
ああでもないこうでもないと対策について会議を踊らせていた間に、それが非常に薄い四角形をしていることが判明して、会議はますます混乱した。
それは明らかに人工物だ。
そしてそれが明らかな意図の下に地球に向かって打ち出されている。
誰もがこれは侵略だと考えた。
お互いに向け合っていた核弾頭が一斉に宇宙に向けて発射された。地球を何度も何度も滅ぼせるほどの核爆弾が。
超国家の作戦室で各国首脳が効果の観測結果を固唾を飲んで待った。
「標的、変化なし。以前地球に向かって加速しながら接近」
様々な手段で瞬時に命令が下され、シェルターの周囲に隠れていた複数の特殊部隊が交戦を開始し、その戦闘によって地下深くに逃げることができなかった各国首脳たちは全員衝突の衝撃を生き残ることができなかった。
地球人類は十分の一以下に減り、その後百年以上文明レベルを元に戻すことができなかった。
それから何百年後、ようやく地球のマントルに突き刺さった物体が引き上げられ、その正体が分かった。
それは外宇宙の彼方から送られてきた一枚の名刺であり、そこにはどうやら持ち主たちの言語で、所属と役職、そして持ち主の名前が書いてあるらしかった。